アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)の2016-17年秋冬ウィメンズコレクションが、フランスパリで発表されたクリエーションの根底にあるのは、アメリカのロックバンド「ザクランプス」である
ファッションは自由だどこかで聞いたフレーズではあるだろうが、今季のアクネ ストゥディオズが提言しているのは、この精神に基づいているものだと思うランウェイでは、新作のアイテム同士を組み合わせていたとしても、それは1つのスタイリングであって、素敵だなと思い手に取った人は、昨シーズンのアイテムやお気に入りの一着と組み合わせたりしていて、着こなしというのは無数に存在する
今シーズン、ブランドが届けたのは、もっとエキサイティングに洋服を楽しむ幅を広げるものダウンジャケットは、無数のパーツに解体され、一つひとつのピースにはスナップボタンがついているそのため、幾らでも変幻が可能同様に、新作のパンツやレザージャケットにもボタンが付属しているため、他のアイテムと連結させることもできるのだ
ランウェイでは、オレンジのコートのアーム部分にダウンジャケットを貼り付けているし、ロングダウンをワンピースの一定の位置で留めているボレロのようなチェック柄の一着もアシンメトリーな形に変わり、無造作にフェイクレザーの上に乗っている
タトゥー風のタイツ＆トップスも同じように、洋服同士の相愛による楽しみ方を提供しているツイードのオールインワンの襟元から覗かせたり、ボトムスと連動させた模様がノースリーブトップスのアームを彩ったり…
また、ロックロールのスピリットが宿る、ステージ衣装風の縦縞模様のトップスやレオパード柄のウェア、バイカー調のレザージャンプスーツなど、個性的なウェアもマッチさせて、ファッションに自由をもたらしている主張の強いものばかりだが、タイトボリュームが一定のバランスでコントロールされているため、すごくまとまりがある
新作シューズは、“底が抜けてしまったの？”と思わず突っ込みたくなるようなブロークンヒール音楽の世界からイマジネーションを膨らませ、アンプにつなげるコードがサンダルのレースに、また洋服のデコレーションとして採り入れられている
